お知らせ全般

中野ダイバーシティフェスタ2023に参加しました。

中野ダイバーシティーフェスタに参加したのは、私が「ともに生きるまちづくりと日本語教育」を立ち上げた理由の1つとなる、市民の皆さんに外国につながる人たちのことをもっと身近に感じていただけるような場を作りたいという思いからでした。団体の活動の場が「まち」に溶け込むことができるまでには、まだまだ時間がかかると思います。しかし、一緒に生活しているという実感を持ったり、身近に感じてもらえたりする機会を作っていく、その積み重ねが、非常に大事ではないかと思っています。そのため今回のダイバーシティーフェスタでは、まずは少しでも身近に感じていただけるように、外国の方々および、外国につながる方々とかかわるボランティアの方々を紹介しようというところから始めました。 外国につながる方々は、様々です。まだまだ十分にご紹介できるわけではありませんが、今回は日本で活躍することを目指す人々の紹介です。

「ともに生きるまちづくりと日本語教育」としてのテーマを決める際に、大事にしたかったのは「対話」です。来てくださった方々と対話が生まれる仕組みを作りたいと思いました。人と人が理解し合うためにはそこには対話が必要です。その「対話」生む場になることを目指そうと思いました。 このような思いから、テーマを「アートと対話de共生」にしました。

  1. 留学生の作品展
  2. 対話型芸術鑑賞「みんなで話そう!」
  3. 「平和」の絵本を一緒に読もう!
  4. 複言語で育つ絵本「みいちゃん、日本語できるよ」
  5. 中野区国際交流協会「金曜ボランティア」の企画
    多言語化病院リスト
    外国人の防災
  6. 日本語学校ってどんなところ
  7. 日本語教師inモンゴル(千葉工業大学の学生発のポスター)
  8. 外国人材と一緒に活動する際の「コツ」

当日まで、たくさんの方々にご協力いただきました。
最初にお声掛け下さった認知症の支援団体MIKANや中野のバリアフリーマップを作っている、伊藤勝昭さん。
中野区在住の友人、西山美香さん。
イーストウエスト日本語学校の同僚教師、田坂敦子さん、深田芽生さん。
平和の絵本を貸してくださった、長崎国際大学の佐野香織准教授。
NPO法人ストリートデザイン研究機構でご一緒の、千葉工業大学の佐藤弘喜教授。
ボランティア企画を担当してくださった中野区国際交流協会、金曜ボランティアのみなさま。
動画・写真を担当してくださった西山さんのご主人、株式会社トツマルボックス代表の西山俊哉さん。
写真家であり金曜ボランティアの石原修さん。
留学生のことで様々な協力をしてくださったイーストウエスト日本語学校の教務主任、高見彩子さん、西川幸人さん。
たくさんの作品を出してくれたり、インタビューに協力してくれたイーストウエスト日本語学校の留学生のみなさん。
そして、この企画を推進してく出さった、明治大学国際日本学部の横田雅弘教授と横田ゼミのみなさん。
その他、ここに名前をあげられませんが、たくさんの方々のご協力とかかわりがあって、企画が実施できたことに心より感謝申し上げます。

今回の取り組みは、地域市民の皆さんに、外国につながる人々と、そのボランティアの方々を紹介し、「対話」を通してお互いを知るきっかけができればいいなと思っていました。少しかもしれませんが、行動に移すことが出来てよかったと思っています。その上で、私が一番感じているのは、私自身が、企画の中で仲間とかかわり、仲間を知り、協力しながら進めることが出来たという実感があることです。また、作品を展示するために、たくさんの留学生と接し、一人ひとりについて、今まで以上に知ることができ、あらたな一面を見つけることができたことが本当に嬉しいことであり、楽しかった時間でした。私の心の中にあたたかい気持ちをもらえた活動になったことが、本当に嬉しいことでした。


企画内容の紹介

1.留学生の作品展

今回のダイバーシティフェスタのキーワードのである「アート」でまず思い浮かんだのは、留学生のアート作品展でした。私は大学や日本語学校で日本語教育をしていますが、日本語学校では、美術に関する大学◦大学院を目指す学生への進学指導もしています。そしていつも、留学生から作品の話を聞いています。留学生は日本で芸術家として頑張りたい、アニメやイラストの仕事がしたいなどと夢を持って努力を重ね頑張っています。そこで、留学生が日頃描いている絵や作品を展示してもらい、地域市民のみなさんに、留学生の姿を紹介したいと思いました。


今回、留学生の作品を集めている際に、それぞれの留学生とたくさんの対話がありました。最初は「作品展にだしてみない?」と、こちらから声をかけていたのですが、出してくれる学生が増えてくるにしたがって、自分も出したいと、留学生がたくさん私のところに名乗り出てきてくれました。「作品の説明を自分でしたい」と当日参加してくれる人、「何枚まで出していいですか?」と連作10枚を出してくれた人、「私は展示するのに1メートルの机が必要です」と建築の模型を持ってきてくれた人、それぞれにこだわりの作品が20名分集まりました。どんな風に展示したいかや、それぞれの作品に込められた思いなどを聞いていると、本当に大切な作品を持ってきてくれるんだと思い、その事前のやり取りだけで、本当に感激しました。全員に思い出がありますが、ここでは2人のお話を紹介します。


林さん(リンさん)

作品展に作品が集まるかなと、まだ不安を持っていた頃、担任をしている林さんが日本語学校のロビーにいました。林さんは美術の大学院を目指す留学生です。ちょうどその時、大学院に提出する作品を持っていたので「ちょっと見せてもらえる?」と声をかけてみました。林さんは、とても快く私に見せてくれながら丁寧に説明してくれました。その作品は、林さんが日本に来てから様々な場で出会った外国の人々にインタビューし、そして写真に撮った写真集でした。写真とともに綴られた言葉の数々には、その写真に写っている人が、日本でどんな生活をしているのか、どんな思いで生きているのか、どんな人なんだろうか、それが林さんの目を通して語られており、その人が写真に収められていました。その中の1枚を指さし林さんは「先生これ誰だかわかる?」と聞いてきました。顔が写っていないので「誰だろう、私の知っている人?」と聞いてみると、それは林さんのとても仲良しのクラスメートでした。1枚だけそのクラスメイトの写真が入っていたんです。私はこの写真集を見て、外国から来て様々なことを考えながら自分の作品にしていき、自分の仲間とともにその作品を作っていくこと、そしてそれを日本で発表しようとしていることに、本当に感動しました。涙が出てきました。とても嬉しかったからです。林さんは私の姿を見て、「芸術の専門ではない人にこうやって見てもらって感動してもらえることが本当に嬉しいです。」そう語っていました。私はこれこそ今回のダイバーシティーフェスタにとてもふさわしい作品ではないかと思いました。そして林さんにダイバーシティーフェスタというのがあるので作品を出してみないかと詳しく説明をすると、林さんは「先生ぜひ出したいです。」そう言ってくれました。作品展第1号の作品です。
 → 林さんの詳しいインタビューはまた別途お知らせします。


方さん(ファンさん) 

台湾から来た方さんは、日本でアニメーターになることを目指し、勉強をしている留学生です。方さんには、作品展に出さないかと声をかけていましたが、最初はあまり積極的ではありませんでした。時間が経つにつれ、周りの学生が作品を出すことが決まって、もう一度方さんに声をかけました。すると自分もやってみようかなと作品を出すことを決めました。方さんは大学の卒業制作で、友人と一緒に絵本を作ったそうです。最初はその絵本をそのまま展示しようかと思ったそうです。しかし、せっかく日本で展示するのであれば、中国語ではなく日本語の絵本がいいと思い、そこから翻訳を始めました。翻訳をすると日本語でどのように訳したらいいのか自信がないところが出てきました。それは国にいたときには気がつかなかったことだそうです。自分で訳した日本語はまだ不十分なところがあると感じ、担任の森節子先生に相談しました。森先生も快く引き受けてくれ、何度もやりとりを重ねました。日本語に訳してみると、中国語とは違った表現がたくさんありました。日本に来て実際に生活し、日本の言葉や文化がわかるようになったからこそ感じることができる表現があるということに気づいたのだそうです。そして、森先生とのやりとりで、日本語で伝わるような表現ができたそうです。方さんは、「最初は国で作った絵本を展示しようと思いましたが、先生が声をかけてくれたので、先生がくれたチャンスだから、日本語で絵本を作ろうと思い、やってみようと思いました。」と言っていました。日本に来て、方さんの力が発揮できる場ができたことが、本当に嬉しく感じました。 → 方さんの詳しいインタビューはまた別途お知らせします。

2.対話型芸術鑑賞「みんなで話そう!」

対話型芸術鑑賞をしようと思ったのは、友人の西山美香さんのおかげです。西山さんはもう10年くらい前からの友人で、日ごろからFacebookでアートが好きな事はよく知っていました。西山さんは中野区在住です。中野区のフェスタですから、西山さんにぜひ関わっていただくことはできないかと思いました。そして西山さんにお声掛けしました。西山さんは話を聞きとても興味を持ってくれたので、何ができるか2人で考えました。西山さんの日頃の活動をうかがい、アートや対話というテーマと合っているので、今勉強しているという対話型芸術鑑賞をやろうということになりました。内容については、西山さんにお任せです。

11時、12時、13時と3回行い、どの回も10名くらいの参加で、思い思いに絵について述べていました。
参加者の感想
自分では気が付かないことがたくさんあった。
好きなことが言えて楽しかった。
他の人と一緒に見れておもしろかった。
など、好評でした。
西山さんも、貴重な体験ができたと、とても嬉しそうでした。

3.「平和」の絵本を一緒に読もう!

今回の企画を、いつも相談にのっていただいている長崎国際大学の佐野香織准教授にお話ししたところ、ゼミの学生と取り組んだ「平和」の絵本のお話を教えていただきました。ゼミ生は市民の方々と、1年近く「平和」の絵本を読む活動をしたそうです。今回、その絵本をお借りし、絵本を通してそれぞれ話ができる場を作りました。

5.中野区国際交流協会「金曜ボランティア」の企画
  中野区内の多言語化病院リスト
  外国人の防災の取り組み

私も参加している金曜ボランティアは、日ごろから外国につながる人々にとって必要なことは何かを考え活動しています。メンバーの中には、外国の方々もたくさんいます。金曜ボランティアは、一緒にボランティアに参加したり、企画を行ったりしながら、関係を深め楽しみながら活動している団体です。今まで、金曜ボランティアで取り組んできた、中野区内の多言語病院リストと外国人との防災に関し、展示と説明を行ってもらいました。このような活動をしている皆さんを、ぜひ、地域市民の方々に紹介できる機会が出来てよかったです。

6.日本語学校ってどんなところ

日本語学校に通う留学生が、どのような勉強をしているのかを地域市民のみなさまに紹介する機会をつくりました。日本語学校の同僚の田坂敦子さんとは、勉強会をしたり、授業について語り合ったりと、協働で日本語学校での教育に取り組んでいます。今回も、ダイバーシティフェスタに参加することを話すと、快く手伝ってくれました。今回は、日本語学校の学生がどのように学習を進めていくか、会話例を中心に担当してもらいました。もちろん、前日から当日にかけての会場準備でも大活躍です。

上記会話例以外にも、学習例やテキスト、学生の作文なども展示しました。


留学生がどのような思いで日本に来て、日本でどのような生活をしているのか、また、将来どのような道に進みたいのかなど、インタビューしたポスターも紹介しました。少し紹介します。 →別途インタビュー内容はご紹介していく予定です。

7.日本語教師inモンゴル(千葉工業大学の学生発のポスター)

NPO法人ストリートデザイン研究機構の理事としてご一緒している、代表の佐藤先生が、モンゴルで日本語教育を体験した学生のポスターを持ってきてくれました。この日のために、学生さんが作成してくれたものです。
学生さんは、来場者に丁寧に説明してくれていました。

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